不動産投資を行い、資産を拡大してく為には銀行融資は必要不可欠です。そして銀行が融資をする際の原理原則は、融資したローンの元利金をきちんと決められた通りに返済してもらえるかどうか。これにつきます。その審査にあたっては、7つのポイントを総合して検討し、融資の可否を判断します。この7つのポイントを理解しているか、いないかで、審査結果は大きくかわってきます。そこで今日は7つのポイントうちの1つ【収益力】の中からキャッシュフローについて記事を書いてみようと思います。

家賃収入-経費-税金=当期純利益
 当期純利益-借入返済金+減価償却費=キャッシュフロー

上記公式がキャッシュフローの算出式になるのですが、わかりにくいので簡単に言うと、不動産経営を通じて「いくら手元にお金が残るのか」ということです。不動産経営が上手くいきキャッシュフローがプラスであれば、手元の現金が増えていきます。銀行は収益力をはかる審査の中で「キャッシュフローはプラスか?」を判定します。この判定は3つ存在します。それが下記。

① 物件単体のキャッシュフロー
② 世帯合算のキャッシュフロー
③ 全保有物件合算のキャッシュフロー

①物件単体のキャッシュフローから説明していきましょう。
各金融機関はそれぞれの審査基準にのっとり、審査依頼のあった物件の、周辺のライバル物件を5つほど抽出して相場家賃を定めます。そして年間家賃を算出し、シュミレーション(事業計画の妥当性判断)を行うのです。その際、物件の室率を10~25%、金利は3~4%で考えるなど、今後空室率が上昇したり、金利が上昇したとしても、それでもキャッシュフローがプラスになるかどうかを数字にストレスを与えて判定します。そして、このシュミレーションでキャッシュフローがプラスになればひとまず収益性はクリアといえます。
この時、借入金利が低く、また借入期間が長くなれば年間の返済金額は低くなるので、その分キャッシュフローは大きくなるのですが、銀行としてはなるべく高い金利で、短い返済期間で貸したいのが本音です。また、返済期間も基本的には耐用年数以内で設定します。そうなるとキャッシュフローがマイナスになることが多いのです。もちろんノンバンクや、一部の地銀や信用金庫は耐用年数を無視して融資をするところもありますが、その分金利が高かかったり、サブリースが条件だったりと様々な条件が付いたりします。
サラリーマンオーナーの場合は年収や資産背景、などの属性によるところが大きいので「物件の収益力は微妙だけども属性が良いので是非融資したい!」と担当者が融資をしたいと思ったならば、②のキャッシュフロー判定に移るのです。ちなみに、不動産投資で失敗した方の多くが「銀行が融資してくれたんだからきっと良い物件なんだと思った…。」と言います。物件はしょうもないのに個人の信用力で融資がおりたなんていくらでもありますので、購入時にはしっかり投資分析も行う必要があります。投資分析に関してはまた別の機会にでも書いていきますね。

続きます。物件の単体キャッシュフローがマイナスの場合、銀行は2つ目のキャッシュフロー判定を行います。それが世帯合算キャッシュフローです。


②世帯合算キャッシュフロー
銀行は借入申込人の家庭の収支に注目します。仮にキャッシュフローがマイナスの物件を取得したとすると、どうしても自己資金からの持ち出しが発生してしまいますので、サラリーマンの方であれば、お給料から借入返済金を補填する必要がありますよね。その時に生活に余裕が無い人だとどうでしょうか?確実に延滞してしまいます。
そこで、入ってくるお給料と生活費などの支出を加味します。つまり家庭のキャッシュフローがプラスでなければいけません。ちなみに各金融機関で差はありますが、家族一人の年間の生活費は80万円かかると考えます。4人家族であれば4人×80万円=320万円。これが最低でも必要な年間の生活費です。仮に、この方の年収が700万円だとすると、金融機関は700万円-50万円(所得税・住民税)-320万円=330万円の余裕があるとみなします。
購入予定の物件単体の年間キャッシュフローがマイナス100万円であった場合、330万円-100万円=230万円となり、家庭のキャッシュフローと合算するとプラスになります。銀行は「この状態であれば、ある程度持ちこたえる力がある。」と判断して融資が承認となるのです。勤務先や資産背景、借入がある場合は年間の返済比率なども関係してきますので「絶対」ではありませんのでご注意を。

そしてこの方がもしも他に物件を持っている場合は、3つ目のキャッシュフローが出てきます。それが保有物件合算のキャッシュフローです。


③保有物件合算のキャッシュフロー
この場合も②と同じです。保有している物件すべてのキャッシュフローを合算した時にプラスになるかどうかを銀行は見ています。そして合算の結果、プラスになれば融資をします・・・。と言いたいところですが、そんなに簡単なことでもありません。
仮に、キャッシュフローがプラスの物件Aをすでに保有していて、今回購入を考えている物件Bのキャッシュフローがマイナスであった場合、審査の際に銀行はどの様なことを考えると思いますか?
AとBに融資している銀行が同じ銀行の場合「儲かっている物件Aのキャッシュフローが、儲かっていない物件Bのマイナスキャッシュフローの補填に流出している。今はまだいいが、もしも物件Aの運営状況が悪化してしまい、キャッシュフローがマイナスになるとマズイ。その場合2つの物件がマイナスキャッシュフローになってしまい、給与の合算だけでは返済が追いつかず、A,B合計の融資額が焦げ付くぞ。危険だ。それはリスクが高い。」と、かなりネガティブに考えます。
もちろん不動産を購入する理由によっては、キャッシュフローがマイナスの物件を購入することもあります。例えば相続対策で収益不動産を購入する場合や、短期のキャピタルゲイン狙い、保有物件の組み合わせを考えて、あえて返済期間を短く借りた場合などが挙げられます。その場合でも銀行は融資を行うことがあります。しかし、審査基準を満たすだけの担保や保証人、連帯債務者の提供、資産背景、頭金、評価額、属性など、さまざまな要素が必要になってきます。基本的には物件単体でキャッシュフローがプラスになることが大原則という事は忘れないようにしましょう。

だからといって、家賃の変動や、空室率、修繕費率を考えていないなど、キャッシュフローをプラスにする為だけの、あまりにもバラ色の事業計画書を銀行に持ち込んでも、数値にストレスを掛けた銀行のシミレーションによりキャッシュフローがマイナスとなって融資は否決となりますのでご注意を!


※超重要!!!
融資承認確率を上げる為に①の段階で必ずやるべき事があります。そのノウハウはここでは訳あって申し上げることができませんので、個別に聞いて頂ければお伝えします。ヒント:購入予定の○○○の○○は、ご自身で○○○○し、○○○を○○○してください。その際、なるべく○○○○よりも○○○が高い〇〇を○○○○でください。これには2つ理由があります。それは・・・


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